ただでもらったグレープフルーツから考えるフードロス

「フードロスを削減するためにスーパーでは手前の商品から買うようにしてるよ」

そんなことを友人から聞いた数年前。

”そうは言っても、牛乳は飲み切るのに時間がかかるし、いつ食べるか分からない肉類はなるべく長くもつ方がいいでしょ。短い賞味期限のものを買って結局ダメにしたら、それこそフードロスになる” と心の中で呟いて、私の購買行動はまったく変わりませんでした。皮の黒くなったバナナは買わず、傷ついている野菜も選別して買わないようにしていました。

 

杏奈と一緒に暮らし始めた頃に、喧嘩になったこともありました。賞味期限の過ぎた加工食品をゴミ箱に捨てたときのやり取りです。

 

杏奈「ねえ、何でこれ袋も空けずに捨ててあるの??」

私「賞味期限過ぎたから捨てたよ~」

杏奈「え?過ぎたって言っても一日でしょ。中身確認したの?」

私「ううん。私、お腹が弱いから、賞味期限過ぎたものは食べないことにしてるの」

杏奈「中身も確認しないで?」

私「うん。だって賞味期限過ぎてるじゃん。」

杏奈「自分の五感をまったく使わずに、印刷された数字で物事を判断するなんて馬鹿みたいだと思わない?!あきれたもんだ!」

 

そう言って杏奈さんは、ゴミ箱に袋ごと捨てた食品を取り出し、匂いを嗅いで、「ほら、まったく問題ないよ」と怒りながら食べていました。

 

そこから教育され、今ではスーパーに行くと、まずお買い得コーナーを見て使える物がないかを確認する習慣がつきました。皮が黒くなったバナナを買わないようにしていたというのは今となってはかなり謎な行動だったと感じており、お買い得コーナーで半額になっているバナナは外の皮はちょっと黒くても、中身は傷んでないことがほとんどで、皮全部がまだ黄色いバナナよりも食べ頃で、買った日からすぐに美味しく食べられることを知りました。

 

そして、先日、近所の八百屋で衝撃的なことがありました。

会計を終えた後、レジの横に「無料です。好きなだけどうぞ」とグレープフルーツが山のように積んでありました。どのグレープフルーツも少し茶色くなっているところがありました。

ほんとに無料なの?と不思議に思い、お店の人に聞いてみると、傷んでいるところがあって市場で捨てようとしていたものを、捨てるんであればともらってきたので無料で配っています、こういった商品は買ってもらえないから値段はつけられないんですよ、ジュースにすれば食べられると思いますとのことでした。

杏奈は「え~、ほんとは全部もらいたいところだけど・・・」と悩んでいましたが、出かける途中に八百屋に寄ったので、グレープフルーツをたくさん持っての移動は無理だと判断し、3個いただきました。

 

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ただでもらったグレープフルーツ

 

翌日、ジュースにするかとむいてみたところ・・・・え?中身は全く傷んでない。

そして食べてみたところ・・・・すんごい美味しい!むしろ、こないだ他の店で120円で買ったのより、ずっと美味しい!

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むいてみたら、傷んでなかった

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むいてみたら、すごく美味しかった

3個じゃなくて、もっともらえばよかった!!!

(ただでもらったのに、もっともらえばよかったと思う欲って怖いですねぇ。)

ものすごく美味しいグレープフルーツを前に、今までの自分の購買行動について考えさせられました。私のように少しでも傷んでいるところがある商品は買わない。そういう消費者が、こんなに美味しいグレープフルーツを市場で廃棄させているのだなぁと。

 

農林水産省によると、日本の国民1人あたりのフードロスは年間45kgで、年間1人当たりのコメの消費量53kgに近いと紹介されています。そのうち、46%が家庭におけるフードロスとのことです。

杏奈と喧嘩をしたときは、正直なところフードロスは他人事でした。

グレープフルーツに教えもらったことを忘れずに、少しずつですが消費者として学んでいきたいと思います。

 

お散歩に行かなくなったピア

今日は1月上旬に我が家にやってきた、保護犬のピアちゃんのお話です。

 

推定1歳まで人に飼われずに過ごしてきたピア。

我が家にやってきた当初から、知らない人や自転車、バイク、車との遭遇は恐怖体験のようで、お散歩はいつも怖がっていました。

それでも家ではまったく排泄できない様子のため、なるべく人とすれ違わない早朝5時、夜10時に外に出ていました。歩き出しはいつも怖がり、少しの間はリードで引っ張らないと家に走って帰ろうとしていました。しばらく歩くとやっと自分で歩き出すものの、うんちをするのは、人や自転車とすれ違った時にパニックになった時だけ。

リードを引っ張ったり、うんちを漏らすピアを見ていて、これで本当にいいのだろうかと飼い主(まだトライアルですが)二人が不安に感じ始めていた頃・・・・

 

ピアはついにピタリとも歩かなくなりました。

 

待っていても玄関前に座り込んで動かない。

引っ張ると床にはいつくばって拒否の姿勢。

 

これはさすがに方針を変更しないとダメだと気付き、杏奈と二人でインターネットやYouTubeなどを検索して、方針を話し合いました。

私達の気付きとして

・野犬として過ごしてきた犬が散歩を怖がるのは特殊なことではなさそう

・まずは私達との関係に安心してもらうことが先決

・散歩は絶対にしないといけないものという概念から一回離れた方がよい

ということを共有しました。

 

そして、家の裏庭に、早朝5時頃・夜10時頃に加えて、どちらかが家に居る時は、昼の明るい時間帯もしくは夕方の早い時間の1日3回出ることにしました。

結果、ピアは裏庭であれば、尻尾を振りながら地面を嬉しそうに嗅ぎまわり、1日3回おしっこ、1日1回うんちを怯えない状態で自分のぺースでできるようになりました。

 

毎日、誰かのうんちを見ることがこんなに嬉しいのは、外科研修でイレウス(腸が詰まって便が出なくなる病気)の患者さんを担当した時以来です。

 

さらに、ピアはほんのすこーしずつですが、一番安心していそうな早朝は玄関の前で鼻をクンクンさせながら、家の前に広がる道をじーっと眺め、時には数歩外に向かって歩くようになりました。すぐに走って玄関前か裏庭に戻るのですが、ピアのペースで少しずつ外の世界に関心を向けているように感じています。

私達も焦らず、不安がらずに、学びながら、ピアと関わっていきたいと思います。

 

そんなわけでこの1週間は家での時間は、仕事をしているか、犬についての情報を集めているか、ピアについて話し合っているか、という生活をしていてブログの更新が遅くなりました。今後もマイペースに続けていきたいと思いますので、緩やかにお付き合いいただけると嬉しいです。

 

犬を飼ってみて、子育てしている方達はこういうことの連続なのかもしれないなぁと想像しました。例えば「散歩を怖がる犬」と検索してみると、いろーんな情報があり、それぞれ流儀が異なるようで、自分たちがどの方針でいくのかについて迷いながら話し合っています。診察室で、患者さん達から「夫は子育てについて何も話を聞いてくれない」といったお話を聞くことがありますが、ピアを飼い始めてから1人で方針を決めるっていうのはとっても不安だなと思いました。人の子育ての場合、育てるっていうのは1人だけではなく、パートナーに限らず、色んな立場で多くの人が関わる方がいいように思います。離れた距離からにはなりますが、甥っ子や、友達の子ども達に、ちょこちょこ関わっていきたいと思います。

 

最後に、昨日の出来事。

夏に預かっていたキャンディーとは何度か会ったことのある父に、初めてピアに会ってもらいました。

少し怖がるピアに、父はニコニコ顔で一言。「うわー、すごく大きくなったねー!」

いやいや、色も形も全く違います・・・・。突っ込みどころしかない反応でした。

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杏奈の足元でくつろぐピア(mix)



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夏に預かっていたキャンディー(ミニチュアダックスフンド

 

"性"について考える

翻訳に関わらせていただいた書籍『患者をエンパワーする慢性疾患セルフマネジメント』が出版されました。題名通り、患者さんのセルフマネジメントについて詳細が記載されていて、通読することで患者さんに伝えられることがグッと増えそうです。医療者以上に、慢性疾患をお持ちの方にお勧めの一冊です。


私が担当したのは、「セックスと親密さを楽しむ」という章です。この章の中の項立ては以下の通り。


セックスについての一般的な懸念、官能的なセックス、空想と官能、セックス中の症状を克服する、セックスの体位、セックスと親密さ:特別な考察

 

LGBTQについての文章は何度か書いたことがありますが、翻訳を含めセックスそのものについての文章を書いたのは初めてでした。身体に慢性的な痛みがあったり、手術後でパートナーに身体を見せるのに抵抗があったりする時に、セックスとどう向き合うかといったことが詳細に書かれており、翻訳しながら、とっても勉強になりました。完成した書籍が届き、自分が訳した章を早速パートナーの杏奈と一緒に読み合わせしました。とても勉強になったし、自分たちが何らかの疾患を患って悩んだ時には、再度一緒に読み合わせをしようと話をしました。

 

私は普段、「一般内科」の外来を担当していますが、内科疾患も性機能に影響することがあります。例えば、糖尿病の影響や薬の副作用で勃起障害が生じることもあります。それにも関わらず、私の外来ではこれまで性生活について患者さんと話をすることは決して多くはありませんでした。性のことで困った時に、かかりつけ医として相談しやすいと思ってもらえるような外来にしていきたいと思います。

 

話が少しずれますが、世界性の健康学会(World Association for Sexual Health)による「性の権利宣言」をご存知でしょうか。私はこの宣言を読んだ際に、自分自身に対してこのような価値観を身につけられていないと感じました。

 

例えば、3項目では「人は誰も、セクシュアリティと身体に関する事柄について自由に自己管理し、自己決定する権利を有する。」と書かれています。当たり前のことのように思えますが、同性をパートナーにもつことを真に肯定できたのは30歳頃になってからでした。自己決定する権利がある、なんて考えたこともありませんでした。

日本では、時に、「短いスカートと肌を露出するような恰好で歩いていたんだったら、自己防衛していないのだから、何をされても仕方ない」といったことを耳にすることがあります。このような発言は、どのような恰好をするかを選ぶのは自由であり、そのことに関わらず性の自己決定権は守られるべきであるという価値観が日本では育っていないことを反映しているのだと感じています。

 

少なくとも、私は日本で育ち、教育されてきた中で、真には性に関する自己決定権を身につけられていなかったように思います。そんな中で、大人になってから、オランダの性教育について書かれた下記の本を読んで衝撃を受けました。

 

例えば、オランダの学校で性教育に使われているカードを引いて答えていくゲーム。女の子用のカードの内容として、以下のようなものが書かれているそうです。

「ボーイフレンドと抱き合っていたら、ボーイフレンドが服の下に手を入れてきました。そこまではまだ許せないとどう伝えますか?実際に演じてみてください」

こんな実践的な性教育を受けたことはありません。でも、このようなシチュエーションの練習はとても有用だと思います。

また、この女の子用のカードでは”ボーイフレンド”がいることが前提にはなっていますが、6-9歳で恋愛の相手は異性とは限らないということも教えられるそうです。

本の学校教育で性について十分に学ぶ機会が提供されるようになるには、まだまだ時間が必要そうですが、今は自分で学べる様々なツールがあります。

例えば、「セイシル」というサイトは性の多様性についても丁寧に記載されています。

 

大人も子どもも、より豊かで自由で安全な性生活を送れるよう、楽しく学ぶ機会がもっと増えればいいなと思っています。

 

長くなりましたが、書籍『患者をエンパワーする慢性疾患セルフマネジメント』是非お手にとってみてください!

 

ピアちゃんは、今朝初めて外に行きたがってピーピーと泣きました。そして自分から階段を下りることができました。(これまでは階段を下りるのも、外に行くのも怖くて、ためらい時間が5分はありました。)庭に出たらすぐにおしっこをしたので、おしっこの合図もできるようになったのだと、とっても安心しました。

まつげも茶色で美人さん

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まつげも茶色いピアちゃん

 

電気代ってどうですか? ~コーチ杏奈さんによる特訓成果の報告~

おはようございます。

ピアちゃんが散歩に行くと必ず寄りたがる駐車場があります。

少し高台になっているところから周囲を見渡し、しばらくじーっと安全確認をしてから歩き出します。人に飼われずに自立して1年ほど生き抜いてきた片鱗を後ろ姿に感じる時間です。

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周囲を偵察するピアちゃん

 

さて、本日は「電気」について書いてみようと思います。

皆さん、月々の電気代ってどのくらいでしょうか?

私の家は、建て替えた際に太陽光パネル補助金が手厚かったため、太陽光パネルを屋根に設置しています。その後、何も考えずに、使いたいように電気を使って生活していましたが、2020年にパートナーの杏奈さんと生活をするようになってから、「まったく節電していない!」と指摘されました。

 

そこから、厳しい訓練の日々がスタートしました。

 

最初に議論になったのが夜の部屋の明るさ。私は家で夜に仕事をすることが多いのですが、勉強部屋、リビングの電気の両方をマックスに明るくして過ごしていました。

杏奈にとっては、その照明は夜のリラックスタイムにしては明るすぎるとのことでした。最初はしぶしぶでしたが、夜は明るさを少し落として生活するようになりました。

 

また日中も私は照明をつけて過ごしていたのですが、晴れている日は照明をつけないことになりました。

 

待機電力を使わないよう使わない電気器具のコンセントは抜いたり、スイッチつきの延長コードに切り換えました。

 

しばらく経つと、少しずつ電気の消し忘れが減ってきて、1年ほど経つ頃には、夜の照明は暗い方が私も好きになり、1人で家に居る時も暗くなるまでは電気をつけないようになりました。

 

そんなことくらいで・・・と思っていましたが、その成果がこちらです。

2019年は2924kWhだった電気の消費量が、2020年は2370kWh、2021年には2019kWhと、約1/3も減らすことができました!・・・・どれだけ無駄遣いしていたのかしら。

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2020年と2019年の電気代の比較

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2021年と2020年の電気代の比較

さらに、杏奈と色々勉強する中で、資源をできるだけ大切に使いたいと考えるようになりました。

太陽光パネルで作った電気を売ると、電気を買うよりも高い値段で売れるので、利益を多く出すために、日中はなるべく電気を使わずにできる限り売電して、夜に電気を使おう!」と、耳にしたことを何も考えずに実践していました。でもこれって、資源に着目すると違和感があります。夜に購入している電気は何を使って作られているのかを考えたこともありませんでした。家を建て替えた2012年に太陽光パネル補助金が手厚かったのは、震災後で原子力発電が大きな問題になっていたからなのに・・・・。今思うと恥ずかしい限りです。

 

今は、電気を多く使うこと(パンを焼いたり、ドライヤーをかけたり、お湯を電気ポットで沸かしたり)はなるべく昼に集中して行って、夜はできる限り電気を使わない生活を目指しています。昼間に沸かしたお湯はポットに入れておいて夜も飲めるので、夜にはお湯を沸かさずに済んでいます。

 

屋根に太陽光パネルはあるのですが、災害時とキャンプに行くことも想定し、夜にコンセントから電気を買う量を減らしてみようということで、ポータブルのソーラーパネルと蓄電池を取り入れてみました。蓄電池を使ってみることで、太陽のありがたさを実感し、昼間になるべく電気を使おう!という気合がアップし、どの電化製品がどれくらい電気を使うのかを意識できるようになってきました。

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ポータブルのソーラーパネルと蓄電池

この冬は、湯たんぽとマフラーを使うと、エアコンはほとんど使わないでも快適に過ごせることに気付きました。また、今後はあらゆる電池を充電池に変えていく予定です。

 

最初は正直なところ家が暗いのはやだな~と思っていましたが、杏奈コーチの特訓により節電が習慣化し、実際に電気代が節約されたことでやる気がアップしました。何事もやらされていると思うと楽しくありませんが、やる気がでると一気に面白くなるものですね。

 

今日も晴れているので、今からお湯を沸かしてポットに貯めておきます!

我が家のお気に入り台所アイテム&レシピ

今日は週末のお休みの日でしたが、ピアちゃんのことに気を取られていたら、すっかり国産デーのことを失念し、いつも通りの朝ご飯を食べてしまいました。

 

ピアちゃんは、人(特に子ども)や車が来ると、怖がってパニックになってしまうため、早朝と夜遅くの2回に散歩に行っています。木・金曜日は朝5時に散歩に行く予定でしたが、私は眠くて起き上がれず、杏奈が1人で行ってくれました。

「私行けるから大丈夫!えりちゃんは仕事だからゆっくり寝てて」と、朝が私よりず~っと苦手なのに、パッと起きる杏奈はとっても愛情深い人だなと思いながら、すやすやと二度寝をしました。

 

ピアちゃんは、家では段々と安心して過ごせるようになってきて、私達と横に並んで昼寝もしてくれるようになりました。

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家で昼寝するピアちゃん

 

さて、今日は、私達のお気に入り台所周りアイテム&レシピを紹介したいと思います。

 

その1、びわこふきん

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洗剤を使わずに食器洗いができないかというコンセプトから作られた食器洗いふきんです。我が家は肉を食べないこともあり、びわこふきんとお湯だけで食器を洗っています。結果、すすぎという概念が無くなりました。野菜の土を落とすのにもびわこふきんを使っています。台所で洗剤を使わないと、シンクに野菜を置いたりするのにも不安を感じず、台所仕事が気持ちよくできるようになりました。(リンクの”わざわざ”という通販店もお気に入りです)

 

その2、ブログ:エシカルな食卓

自家製の100%ライ麦パンを毎朝食べているのですが、いいレシピがないかと探していた時に出会ったのが、「エシカルな食卓」というサイトでした。

ヴィーガンレシピ - サワー種から作る100パーセントライ麦パン|エシカルな食卓

管理者の方は、ヴィーガンで動物性の食材を使わないレシピがたくさん載っています。100%ライ麦パンを作るには、サワードウという自家製酵母を作る必要があるのですが、このレシピはシンプルですがこの通りやってみたらうまくいき、今も1年半前に作ったサワードウを継いで使っています。また多くのサイトはサワードウを作る過程で、何故か一部のサワードウを捨てるよう指示していて抵抗があったのですが、このサイトでは、逆に余ったサワードウで作れるレシピも載っています。

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100%ライ麦パン

その3、自家製キムチのレシピ

ある時、知り合いの方のご家族が作られているキムチを購入したところ、シンプルかつ深みのある味に感動し、それ以降、キムチを自分たちで作るようになりました。

このサイトのレシピのニンニクの量を減らして、リンゴのすりおろしを加えて作っています。昨晩も仕事後の23時頃にキムチを仕込んでから寝ました。

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自家製キムチ

その4、長谷園のかまどさん

お米を炊く土鍋が欲しくなり、かまどさんという土鍋を買いました。

かまどさん|伊賀焼窯元長谷園【公式】

ご飯も美味しく炊けるのですが、かまどさんで鍋をしたときの具材のうまみの引き立ちっぷりに驚きました。炊飯器を捨てる勇気はまだないのですが、台所からはしまって、今はかまどさんでご飯をいつも炊いています。

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かまどさん

 

その5、ストウブ

キャンプ場でストウブを500円で借りてカレーを作ってみたことがあります。その時は使い方をまったく知らず、暖炉の上に水をたくさん入れたストウブを置いて調理しようとしました。2時間半かけてもカレーは完成せず、キャンプ場の就寝時間を過ぎた10時過ぎにコンロでこっそりと煮込むという悲惨な結果になりましたが、その際のジャガイモと玉ねぎがびっくりするほど美味しかったのです。キャンプから帰ってきて、高い買い物なので迷いましたが、思い切ってストウブを購入しました。

野菜がほんとに美味しく調理でき、今は毎日使うアイテムとなりました。パンを焼くのも使っています。

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ストウブで焼いた100%全粒粉のブドウパン

使い慣れるまでにコツがあるのですが、私たちは大橋由香さんの本を一緒に買って、使い方を学びました。このレシピ集もお勧めです。(脱Amazonを目指していることから、e-honのリンクを貼りました)

ストウブはじめまして 無水調理で驚きのレシピ革命!/大橋由香/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

 

以上、勝手にお勧めコーナーでした。

特にストウブは料理嫌いの人でも、材料を入れて、火加減を調整するだけの簡単な調理で驚くほど美味しい料理ができあがるので、本当にお勧めです!!!!

利益相反はありません。

 

 

食べる、つくる、育てる

「料理をつくる」ことに長年コンプレックスがありました。

 

料理というと、”手作りのあったかい食事を家族で囲んで食べる”といった画が浮かび、そこに自分は触れられっこないというねじれた気持ちがくすぶっていました。

 

若い頃の食への無関心さは、思い返すと尋常でないレベルでした。

大学1年の夏休み、食材を買いにいくのを面倒に感じ、スイカ3つ買ってきて、3日間スイカだけ食べ続けたところ、下痢嘔吐で寝込みました。(今振り返ると電解質異常があったに違いない。)

大学生で、医学部再受験の勉強をしていた時には、空いている近所のマクドナルドに通いつめました。朝昼晩と3食をマクドナルドで食べ続けた結果、1か月経った頃に味覚障害が出現し、オレンジジュース(もちろんマクドナルドで購入)を飲むだけで舌がピリピリするようになり、にきびが異常に増えました。これはまずいと思い、マクドナルドに通うのをやめました。(それから数年後、同じような内容が映画化されて、映画にできるようなチャレンジをしていたのかと反省しました)

医師になった後にも食生活は改善されず、初期研修医時代は納豆うどんを1回作ったきりで、冷蔵庫の電源を抜いて箱として使用してました。また100円均一のメロンクリームパンを気に入って、販売停止になるまでの1年半ほど毎朝食べ続けていました。患者さんに栄養指導できるような生活ではありませんでした・・・。

 

自分をケアするということを身につけられていなかったのだと思います。

 

食を改めようと思ったのは病気を患ったことがきっかけで、料理コンプレックスをぶち壊してくれたのは平野レミさんでした。

料理研究家ではなく料理愛好家と名乗るレミさんの、作る過程はどうであれ食べておいしければOK!という精神でユーモアたっぷりに美味しそうな料理を作る姿をテレビで見て衝撃を受けました。そのレシピなら面白そうだし取り組めるかもと、料理を始めることができました。

(レミさんはホームページで初心者でも難しくなく取り組め、食べたら美味しいというレシピを惜しげもなく無料で公開されてるので、料理にチャレンジしてみたい方にはとってもお勧めです。https://remy.jp/

 

料理に取り組み始めたものの、仕事は忙しく、どう時短で料理を続けるかと考えていたときに、杏奈と付き合い始めました。杏奈と電気屋に行った際、シャープのヘルシオという材料を入れておくと料理を作ってくれる家電を見つけて、「これすごい便利らしいよ!」と説明をしたところ、「いや、そんなの楽しくないじゃん。作る過程も楽しみたいよ。そんな機械を買うくらい忙しいなら、働き方の方を考えるわ」と言われて終わりました。

 

確かに、、、、その言葉は胸に刺さる、、、、。

 

そう言い放った杏奈も料理を始めたのはコロナ禍になってからとのこと。コロナ禍で外に出かけることもあまりできず、2人で色んな料理に挑戦するようになりました。

ヨーグルト作り、味噌作り、納豆作り、醤油作り(キットを買って混ぜてるだけ)、パン作り、キムチ作り・・・。発酵食品ばっかりだ!豆乳と豆腐も作ってみました。

 

冷蔵庫を箱にしていた私でも、やってみればできました。料理はキラキラしたものとまぶしく感じていましたが、私は料理実験ノートをつけていて、現場は全くキラキラしていません。

 

さらに最近は、「食材を作る」ということにも関心が向き、庭にレイズドベットという木で作った枠を設置し、小さな小さな畑を作り始めました。今はカブ、ネギ、春菊、ホウレンソウを育てています。

自分たちで野菜を育てるようになってから、皮や芯を捨てるのがもったいなく感じるようになり、ほとんど捨てることなく食べるようになりました。(捨てる部分は、コンポストで堆肥にしていますが、これについては後日また書きます)

 

育てる、作る、食べる。この流れを経験してみると、食事をおろそかにするということが難しくなりました。勝手に自分の中に作り上げてしまっていたコンプレックスをぶち壊してくれたレミさんに感謝しつつ、料理がキラキラまぶしく見える人には料理実験ノートをつけ実験だと思って取り組んでみることをお勧めいたします。一歩踏み出すだけで豊かで楽しい世界がそこには広がっています。

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裏庭の小さなレイズドベット

 

最後に、怖がり屋で机の下に逃げがちなピアちゃんです。

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1人避難訓練をするピアちゃん

年賀状を整理しながら思いふける"幸せのカタチ"とやら

環境問題に関心を持ち始めた2021年の暮れ、紙と輸送エネルギーを使う年賀状を出すかをさんざん迷い、最終的には友達のお子さんたちが成長した写真を見たい!という気持ちを抑えきれず、年賀状を出しました。

 

今日久々にゆっくりする時間をとれたので、年賀状を見ながら住所リストの整理をしつつ、送られてきた年賀状を一つ一つ読み返しました。

 

やんちゃだった友人(今はどうなのか知りませんが・・・)がお子さんに囲まれて笑っている写真や、恩師からの言葉、一人暮らしの先輩が手書きで書いてくれたメッセージなどを読みながら、ほっこりした気持ちになりました。様々な生活をしている人がいるんだろうけど、みんな幸せだといいな~と思いました。

 

そのまま、ぼーっと昔のことを思い出しました。

 

私は姉と二人姉妹で、(おそらく)アルコール依存症だった母と、統合失調症を患う父とに育ててもらいました。日常生活はまったく安定しておらず、それでも幸せだったのですが、10歳の時にクモ膜下出血で母が突然亡くなって、父の病状が悪化し、本当に嵐のような日々が続いた時期がありました。父が数か月間失踪した後、警察から連絡がきて沖縄まで祖母が迎えにいったこともありました。小学生だった私は精神的に不安定になり、押入れに閉じ籠って寝ていた時期もありました。1人で布団に顔を突っ込んで、「私は絶対に普通の家庭を作って幸せになるんだ~」と叫んで泣いたこともありました。

 

で、今。

同性のパートナーと二人で住んでいます。

 

あまり「普通」ではない家庭になりましたが幸せです。

 

子ども時代はそこそこハードでしたが、早い段階で「人を羨んでもどこにも行けない」ということに気付かせてもらえたのがよかったと思っています。

 

家が荒れまくっていた頃、中学受験をして東洋英和女学院という学校に入学しました。東洋英和にはびっくりするような資産家のお子さんがたくさんいました。そんな子たちと交流して感じたのは、「この子達はお金持ちそうだけど、性格がよくて優しくて、ガツガツしていなくて、余裕がある。私が家のことを理由にぐれたりしても、何の得にもならないし、徳の高そうなこの人達から離れていくだけだ」ということでした。よくドラマではお金をもっている人は嫌味な人として描かれていますが、私の前に広がった現実はそうではありませんでした。

 

東洋英和でできた友達たちと交流する中で、友達のお母さんが毎週ご飯を食べさせてくれたことがありました。「うちは3人子どもがいるから、えりちゃんがいてくれても、作る手間はまったく変わらないのよ~」と言っていただき、何も考えず毎週通っていましたが、今振り返ると何とありがたいことだろうと思います。また、年末年始はいつも親友の家で年越しをしていました。その友達の家では親せき会にも毎回ちゃっかり参加させてもらったりもしていました。

 

そういう何のお返しもできないのに、大切にしてもらうという経験をしていくうちに、誰かを羨んでも何も生まれない、私に与えられた人生をなるべく善く生きようという気持ちが育っていきました。

 

同性愛者として生きていくことを覚悟した20歳の時、父や祖母にカミングアウトし、「だから私は子どもを持たない人生を送るんだ」と宣言しました。その時に、幼い頃に描いていた”普通の家族”を自分は持てそうにないけど、それが自分の生き方なのだと腹を括りました。

 

若い頃は、一体自分の将来はどうなっていくのだろうと不安がありましたが、2022年の今、昔には想像もできなかったような毎日を送れています。杏奈と私の家族みんなが、私達のことを知っていてくれて、受け入れてもらえている、そのことだけでも本当に奇跡のようです。ここまで来れたのは、家族や友人、そして友人の家族が温かいものをたくさんくれたからだと感じています。血のつながった親は2人ですが、実際にはたくさんの人に育ててもらいました。いただいたものを今度は、私が、私達家族が誰かに伝えていきたいです。

 

また、最近は同性カップルでも、様々な形で子どもを持つ選択肢がもてるようになってきました。それはとっても素晴らしいことで、どんな家族もより暮らしやすい日本にしていきたいと思っています。

 

そんないろんな歴史と感謝を込めながら、杏奈と二人の写真の入っている年賀状を作りました。2022年、皆さんにとっていい一年になりますように。

 

最後に、今日のピアちゃんを載せます。少しリラックスしてきたようで手の緊張感がなくなってきました。

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朝のピアちゃん