お散歩に行かなくなったピア

今日は1月上旬に我が家にやってきた、保護犬のピアちゃんのお話です。

 

推定1歳まで人に飼われずに過ごしてきたピア。

我が家にやってきた当初から、知らない人や自転車、バイク、車との遭遇は恐怖体験のようで、お散歩はいつも怖がっていました。

それでも家ではまったく排泄できない様子のため、なるべく人とすれ違わない早朝5時、夜10時に外に出ていました。歩き出しはいつも怖がり、少しの間はリードで引っ張らないと家に走って帰ろうとしていました。しばらく歩くとやっと自分で歩き出すものの、うんちをするのは、人や自転車とすれ違った時にパニックになった時だけ。

リードを引っ張ったり、うんちを漏らすピアを見ていて、これで本当にいいのだろうかと飼い主(まだトライアルですが)二人が不安に感じ始めていた頃・・・・

 

ピアはついにピタリとも歩かなくなりました。

 

待っていても玄関前に座り込んで動かない。

引っ張ると床にはいつくばって拒否の姿勢。

 

これはさすがに方針を変更しないとダメだと気付き、杏奈と二人でインターネットやYouTubeなどを検索して、方針を話し合いました。

私達の気付きとして

・野犬として過ごしてきた犬が散歩を怖がるのは特殊なことではなさそう

・まずは私達との関係に安心してもらうことが先決

・散歩は絶対にしないといけないものという概念から一回離れた方がよい

ということを共有しました。

 

そして、家の裏庭に、早朝5時頃・夜10時頃に加えて、どちらかが家に居る時は、昼の明るい時間帯もしくは夕方の早い時間の1日3回出ることにしました。

結果、ピアは裏庭であれば、尻尾を振りながら地面を嬉しそうに嗅ぎまわり、1日3回おしっこ、1日1回うんちを怯えない状態で自分のぺースでできるようになりました。

 

毎日、誰かのうんちを見ることがこんなに嬉しいのは、外科研修でイレウス(腸が詰まって便が出なくなる病気)の患者さんを担当した時以来です。

 

さらに、ピアはほんのすこーしずつですが、一番安心していそうな早朝は玄関の前で鼻をクンクンさせながら、家の前に広がる道をじーっと眺め、時には数歩外に向かって歩くようになりました。すぐに走って玄関前か裏庭に戻るのですが、ピアのペースで少しずつ外の世界に関心を向けているように感じています。

私達も焦らず、不安がらずに、学びながら、ピアと関わっていきたいと思います。

 

そんなわけでこの1週間は家での時間は、仕事をしているか、犬についての情報を集めているか、ピアについて話し合っているか、という生活をしていてブログの更新が遅くなりました。今後もマイペースに続けていきたいと思いますので、緩やかにお付き合いいただけると嬉しいです。

 

犬を飼ってみて、子育てしている方達はこういうことの連続なのかもしれないなぁと想像しました。例えば「散歩を怖がる犬」と検索してみると、いろーんな情報があり、それぞれ流儀が異なるようで、自分たちがどの方針でいくのかについて迷いながら話し合っています。診察室で、患者さん達から「夫は子育てについて何も話を聞いてくれない」といったお話を聞くことがありますが、ピアを飼い始めてから1人で方針を決めるっていうのはとっても不安だなと思いました。人の子育ての場合、育てるっていうのは1人だけではなく、パートナーに限らず、色んな立場で多くの人が関わる方がいいように思います。離れた距離からにはなりますが、甥っ子や、友達の子ども達に、ちょこちょこ関わっていきたいと思います。

 

最後に、昨日の出来事。

夏に預かっていたキャンディーとは何度か会ったことのある父に、初めてピアに会ってもらいました。

少し怖がるピアに、父はニコニコ顔で一言。「うわー、すごく大きくなったねー!」

いやいや、色も形も全く違います・・・・。突っ込みどころしかない反応でした。

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杏奈の足元でくつろぐピア(mix)



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夏に預かっていたキャンディー(ミニチュアダックスフンド